2016年12月27日火曜日

G7伊勢志摩サミットと日本の市民社会~2016年G7サミット市民社会プラットフォーム活動報告書~

2016年5月に開催されたG7伊勢志摩サミットに向けて、日本のNGO・NPOは「2016年G7サミット市民社会プラットフォーム」を立ち上げ、提言活動とキャンペーンを行いました。この度、本プラットフォームの活動報告書を発行しました。

 G7伊勢志摩サミットと日本の市民社会~2016年G7サミット市民社会プラットフォーム活動報告書~
G7伊勢志摩サミットと日本の市民社会~2016年G7サミット市民社会プラットフォーム活動報告書~(2016年12月発行、PDF: 26.0MB)

「市民の伊勢志摩サミット」報告書はこちらです。

< 「第1章 本報告書をお読みになる皆さまへ」より >

この報告書は、2016年のG7伊勢志摩サミットにおいて、市民社会が、短い準備期間の中、七転八倒しながら、どのように局面での勝利をつかみ、また失敗したのかということについての経験を文字に起こしたものです。次のG7、G20サミットに取り組む皆さんにとって、これを読むことは、良くも悪くも、必ず意味を持つはずです。 
(2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 共同事務局/動く→動かす 稲場 雅紀)

< 「巻頭言」より >

この報告書から「結果を出す」アドボカシーに向けての市民社会の努力と動きを読み取っていただき、今後のアドボカシー活動の参考としていただければ幸いです。 
(2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 共同代表/(公財)ジョイセフ 理事長 石井澄江)

市民社会プラットフォームの取組みとメンバー団体の活動が、地域の市民活動に新しい風を吹かせるきっかけとなったことは間違いありません。 
(2016年G7サミット市民社会プラットフォーム 共同代表/(特活)名古屋NGOセンター 理事長 西井和裕)

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G7伊勢志摩サミットと日本の市民社会 
~2016年G7サミット市民社会プラットフォーム活動報告書~ 

【発行】(特活)アフリカ日本協議会、(特活)国際協力NGOセンター

【発行年月】2016年12月

【目次】
 巻頭挨拶
 第1章 本報告書をお読みになる皆さまへ
 第2章 プラットフォーム 組織概要
 第3章 プラットフォーム 活動一覧
 第4章 サミット地元の市民社会との連携
 第5章 政府への提言活動
 第6章 海外の市民社会との連携
 第7章 外務省との交渉過程および課題
 第8章 サミットに向けたキャンペーン
 コラム(1)民間企業のプロボノ協力
 コラム(2)国際メディアセンターでの課題と外務省への提起
 コラム(3)「サミット反対派」との関係
 第9章 資料・報道採録

【助成】真如苑、独立行政法人環境再生保全機構

【お問い合わせ】
 動く→動かす(事務局団体:(特活)アフリカ日本協議会)
  〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3階 (特活)アフリカ日本協議会 気付
  TEL:03-3834-6902 / FAX:03-3834-6903  
  Email:office@ugokuugokasu.jp
  URL:http://www.ugokuugokasu.jp/

 (特活)国際協力NGOセンター(JANIC)
  〒169-0051 東京都新宿区西早稲田2-3-18 アバコビル5階
  TEL:03-5292-2911 / FAX:03-5292-2912
  Email:advocacy@janic.org
  URL:http://www.janic.org/

2016年11月19日土曜日

「市民の伊勢志摩サミット」報告書が完成

2016年5月に三重県四日市市で開催した「市民の伊勢志摩サミット」の報告書が完成しました。
当日の写真はこちらからご覧いただけます。


市民の伊勢志摩サミット 報告書2016年11月発行、PDF:4.5MB)

【目次】
市民の伊勢志摩サミット 市民宣言
はじめに〜「市民の伊勢志摩サミット」に取り組んで
2016年G7サミット市民社会プラットフォームの挨拶
「市民の伊勢志摩サミット」開催経緯
市民の伊勢志摩サミット オープニング
市民の伊勢志摩サミット 全体会
記者発表とメディアセンターでの活動
首脳宣言に対する評価
各分科会からの報告
  アフリカ
  シリア難民
  食料安全保障
  災害
  子ども
  環境
  ユース1
  グローバリゼーションと健康
  気候変動・生物多様性・防災
  地域間格差
  ユース2
  持続可能な開発目標(SDGs)
  平和
  移民・難民・多文化共生
  教育
  力強い市民社会
今後の展望〜「市民協働による政策づくり」の実現に向けて

【発行】
東海「市民サミット」ネットワーク

2016年6月28日火曜日

【6月28日(火)G7伊勢志摩サミット報告会を行いました!】

6月28日に「G7伊勢志摩サミット」の報告会を開催致しました。

G7市民社会プラットフォーム全体の動きの報告とNGO側、そして他セクターからNGOの活動はどう見えたか、Civil G7、伊勢志摩・市民サミットも含め、NGOの活動についての検証、評価を行いました。
45名の方にご参加いただき、満員御礼!となりました。
メディアの方々も来てくださり、本当にありがとうございました。

「2008年に参加した方はそこまで多くはないと思うが、前回とは大きく違ったとは感じている。
SDGs時代の提言、アドボカシーを考えるきっかけになり、連携、パートナーシップの必要性を感じ、我々のアドボカシーを考えさせられる機会となった。
また限られた予算と人の中で最大のパフォーマンスができ、メディアの注目を集めることができたことは、皆さまの努力のおかげである。これからどうあるべきかを含めて、2時間半の討議を楽しみにしている。」

G7サミット市民社会プラットフォーム共同代表の石井澄江氏(ジョイセフ)による開会挨拶で始まった。



来年のG7サミットは、イタリアで開催されます。
報告会の公判で行われた、ワークショップ「G7とNGOはどこへ行く?」では活発な議論が行われました。

●日時:2016年6月28日(火)14:00~16:30
●場所:ウィメンズプラザ 第一会議室
●参加費:無料
●主催:2016年G7サミット市民社会プラットフォーム



各パネリストの発表資料は、以下項目ごとにご覧いただけます。

報告会全体PPT

■伊勢志摩サミットの概要

堀内 葵 氏(JANIC/G7サミット市民社会プラットフォーム協同事務局)
NGOアドボカシー活動の概要紹介 (G7市民社会プラットフォーム全体の動き)

■パネルセッション(サミットにおけるNGOの取り組み)

稲場 雅紀 氏(アフリカ日本協議会)
サミットに対する課題と今後(NGOから見た政府の動き:洞爺湖から伊勢志摩まで)

柴田 哲子 氏(G7市民社会プラットフォーム)
Civil G7やサブシェルパとの対話や海外との連携について

長島 美紀 氏(動く→動かす)
キャンペーン・広報の現場から

松井 真理子 氏(東海市民サミットネットワーク)
市民の伊勢志摩サミットやローカルな動きについて

津山 直子 氏(アフリカ日本協議会)

■ワークショップ(G7とNGOはどこへ行く?)



各班の発表まとめは、以下の通りです。

(1)海外との連携について
・電話会議をしてGTと連携した際、日本が主導権を握ることが困難であった。
・海外のNGO来日の機会も少なかった点も動員力の少なさが課題。
SDGs時代で様々なメンバーが入るプラットフォームが必要
・継続的にG7をみるメカニズムが必要
・グローバル化する激動の時代で難しさもある

(2)地域との連携
・日本や海外の現場でも話し合われていることはかけ離れている
・市民の参加も縦割りであった
・地元の視点を入れられたことは良かった
・政策対話を地元の人も様々なレベルでできた
・現場が良く見えるのは政策をみているひとではなく地元の人→つながりを
・次世代を担う若者の育成、いろんなレベルでの対話をして強みを作る
・横のつながりを持つことで共有、連携が生まれる

(3)アドボカシー
・地域と世界のつながり両方を持てたことが良かった
・課題は省庁との窓口としてのネットワークが重要
・課題別、全体の定期的協議で目標の明確化が必要
・それぞれの分野ごとの評価をしていくこと、評価されなかった理由の分析
・アドボカシーの対象者は、政府のみならず、市民を動かすことが必要
 →メディア広報
・かたちとして残すために報告書の作成

(4)広報・キャンペーン
・一般向け広報として各企画は良かった
・アドボカシーや地域、海外との連携においては力不足だった
 →サミット広報では事前に一般向けのものが必要
・地域連携もうまくできた
NGOの認知度が低いため、そのための広報が必要である
・人を動かす上でキャンペーンが持つ力は大きい

以上により、本報告会は、G7市民社会プラットフォーム共同事務局である動く→動かす代表の今田克司氏からの以下の言葉で締めくくられた。

G7に限らずNGO/NPOの分野を超えたネットワークづくりを考えたい。「SDGs時代において」を考えることが必要であり、そのためには、プロ意識と市民意識をいかに折り重ねるかが必要となる。地域の人はそれが入り混じっている。それを市民として発信していく力を考えたい。






2016年6月24日金曜日

参議院・政府開発援助等に関する特別委員会での決議文

2016年5月20日(金)に参議院・政府開発援助等に関する特別委員会が開催され、全会一致で、「G7伊勢志摩サミット、第六回アフリカ開発会議(TICADⅥ)及び『我々の世界を変革する:持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダ』に向けた我が国の開発政策に関する決議」が採択されました。

決議文の全文はこちら

直後に開催されるG7伊勢志摩サミット、8月にケニアで開催される第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)およびSDGsを含む2030アジェンダについて、以下の13件に関して行政府に行動を促す決議です。


一、持続可能な開発への取組の基本姿勢
二、貧困削減、格差・不平等の解消及び適切な雇用の確保
三、飢餓の削減と過剰な生産・消費の抑制
四、テロ、紛争への平和的対応、及び日本在住外国人への包摂的対応
五、地球温暖化・気候変動への取組及び持続可能なエネルギーへの転換
六、防災への更なる取組と世界的リーダーシップ
七、質の高いインフラ投資とインフラ危機への対応
八、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジを中核とした保健分野への支援の推進
九、包摂的で質の高い教育の実現
十、少子高齢化対策を通じた持続可能な地域開発及び国際社会への貢献
十一、アフリカにおける持続可能な開発の達成―TICADⅥに向けて
十二、持続可能な開発のための資金調達とタックスヘイブン、腐敗、汚職の防止
十三、PDCAサイクル及び透明性の確保、説明責任と国民参加


岸田文雄・外務大臣は本決議を受け、「政府としては、ただいまの決議の御趣旨を踏まえ、ODA等を通じて積極的に我が国の開発政策を推進していくとともに、G7サミットやTICADⅥを含む関連の国際会議でリーダーシップを発揮するようしっかりと取り組んでまいります。」と答弁しました。

2016年G7サミット市民社会プラットフォームとしては、本決議を歓迎するとともに、同日に設置された「SDGs推進会議」において、日本政府がSDGs達成に向けてしっかりとした政策を打ち出すよう、以下の5点を提言します。

1) 本決議をふまえて、政府はSDGs推進本部、国会議員、SDGs市民社会ネットワーク等の市民社会、国際開発学会等の関連学会および民間セクターを含むあらゆるステークホルダーによる「支えあい、学びあい」のグローバル・パートナーシップのもと、実施方針を策定し、本決議の13項目を完全に実施することを求めます。

2) 本決議にある「平和憲法や人間の安全保障、2030アジェンダをふまえ、国のあり方を自ら省み、自己変革をなすことを通じて世界に範を示す」ことを政府に求めます。

3) 本決議の実施が、目標達成年の2030年まで、時の政権にかかわりなく、持続的に取り組まれることを求めます。

4) 本決議がG7伊勢志摩サミットにおいて真摯に議論され、国際公約たる首脳宣言(コミュニケ)において十分尊重されるとともに、我が国がSDGs達成のためにG7サミット、国連等の国際条理において主導的な役割を果たすことを求めます。

5) 2030アジェンダは「人々のアジェンダ」とも呼ばれるよう、本決議が、G7首脳間の高尚な議論で終わるのではなく、「誰ひとり取り残さない」、すなわち、世界の人々一人ひとりの目線、特に貧困層、女性、子ども、高齢者、被災者、僻地・過疎地住民等の社会的弱者の立場に立った、「地に足の着いた」形で実施されるよう求めます。

提言書の全文はこちら


【本件に関するお問い合わせ先】
2016年G7サミット市民社会プラットフォーム共同事務局
office@ugokuugokasu.jp / advocacy@janic.org

2016年6月21日火曜日

【イベント案内】市民サミット&伊勢志摩サミット報告会(6/26、三重)

【6月26日(日)開催!市民サミット&伊勢志摩サミット報告会】

6月26日に「市民の伊勢志摩サミット」の報告会を開催いたします。
2日間で500人があつまった「市民の伊勢志摩サミット」では何が行われ、
どんな提言がされたのか。またG7サミットが終わった今、市民社会として何を
すべきなのか。市民サミットの報告とともにこれからについて話し合います。

日時:6月26日(日)9:30~12:00
場所:じばさん三重 4階 視聴覚室(三重県四日市市安島1-3-18)
アクセス:http://jibasanmie.or.jp/access.html
対象:どなたでも参加いただけます
参加費:無料
主催:東海「市民サミット」ネットワーク
申込フォーム:http://goo.gl/forms/mvQ5DQk0nmyWj8jh1


2016年6月19日日曜日

【メディア掲載】<ニュースを問う> 伊勢志摩サミットの通知表(6/19、中日新聞)

▼<ニュースを問う> 伊勢志摩サミットの通知表 
2016年6月19日 中日新聞 朝刊
http://chuplus.jp/paper/article/detail.php?comment_id=374974&comment_sub_id=0&category_id=205&from=life&category_list=205
 
サミット首脳宣言の通知表となる「採点」を一斉に掲げる国内外のNGO関係者ら=三重県伊勢市で(撮影:中日新聞)

世界の首脳を頂上にたとえたトップ会談、ゆえに山頂を意味する「サミット」と名付けられたという。ずっと考えていた。では登山者は誰なんだろう、と。

(ここまで 71文字/記事全文 1816文字)
※続きを閲覧するには会員登録する必要があります。 (中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井の定期購読者は無料です)

2016年6月16日木曜日

NGO・外務省定期協議会にてG7伊勢志摩サミットに関するNGOの活動を報告

6月14日(火)に開催されたNGO・外務省定期協議会2016年度「全体会議」において、G7伊勢志摩サミットに関するNGOの活動報告をしました。

プラットフォームの設立から一般向けイベントの開催、東海のNGO/NPOと連携、海外市民社会との戦略会議、政府との対話、「市民の伊勢志摩サミット」の開催国際メディアセンターでの記者会見やパフォーマンス、首脳宣言の評価などについて、東海「市民サミット」ネットワークの呼びかけ団体である名古屋NGOセンターの西井和裕理事長(プラットフォーム共同代表)と、共同事務局の堀内葵(JANIC調査提言グループ)から報告をし、その後、NGOワーキングスペースに関する要望書を、石井澄江・共同代表(G7保健ネットワーク/ジョイセフ)と西井和裕・共同代表の二人から、加藤要太・外務省大臣官房伊勢志摩サミット・広島外相会合準備事務局次長兼首席事務官に手渡ししました。


NGO・外務省定期協議会「全体会議」の様子

左から、石井共同代表、西井共同代表、加藤サミット準備事務局次長


本要望書で求めている文書での回答および今後のサミット事務局への引き継ぎについて、外務省内でしっかりとした対応がなされるよう、プラットフォーム共同事務局として働きかけを行っていきます。

なお、「全体会議」の記録については、外務省・NGOの双方が確認後、以下のウェブサイトに配布資料とともに掲載されます。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/taiwa/kyougikai.html


★G7伊勢志摩サミットでの日本政府と市民社会の関係を踏まえ
次回G7サミットに向けて「共通の組織的記憶」の構築を求める要望書(骨子)

全文はこちら

私たちは、伊勢志摩サミットが市民社会とG7政府との建設的な協力関係を紡ぎ出すポジティブな「経験」として積み重ねられたことについて、外務省、特に市民社会との間で粘り強い協議を行い、結果として私たちの要望の多くを実現に導いたサミット事務局サイドイベント班の尽力について、ここに高く評価し、感謝の念を表明したいと思います


このことを踏まえつつ、私たちとして、G7サミットにおける市民社会と政府の関係の「あるべき姿」として、以下の3点について言及します。そのうえで、今回のサミットで生じた問題点についても触れ、政府に真相の究明と今後の善処を求めます。さらに、今回の教訓を、次回のG7サミットに向けた「共通の組織的記憶」として残し、次回に役立てることを提案します。

1.サミットにおける市民社会と政府の「連携」のあるべき姿
(1)「NGOセンター」は「国際メディアセンター」の内部に設けられるべき。
(2)NGOには、メディアに対して可能な限り自由な情報発信が認められるべき。

2.市民社会として原因の究明と対処を求める問題点
(1)国際メディアセンターのメディア向け案内図に「NGOワーキング・スペース」の表示がなかった問題
(2)情報発信の手段が限られていた問題
(3)NGOワーキング・スペースとIMCの間の警備ラインの問題

3.次回サミットに向けて、市民社会と政府とで、「共同の組織的記憶」の構築を

市民社会としては、今回のサミットにおける市民社会の経験を、次回のサミットに向けた取り組みを担う世代に伝えるため、報告書や記録を作成する予定です。これについて、市民社会として、外務省にも提供いたします。

外務省におかれましても、上記の課題や問題点について、原因の究明などを行い、これを記録化して、次回のサミットにおける市民社会との連携に役立てていただきたいと考えます。次回のサミットの内容やロジスティックスを担う人々のために、市民社会と政府とでできるだけ共通の「組織的記憶」を残していければ幸いです。

以上