4/26付の毎日新聞中部版に5月23日~24日開催の「市民の伊勢志摩サミット」に関する記事が掲載されています。
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伊勢志摩サミット2016
開幕まで1カ月 市民団体がG7へ提言 弱者の声、首脳宣言に反映目指す
毎日新聞2016年4月26日 中部朝刊
以下に全文を転載いたします。
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伊勢志摩サミット2016
開幕まで1カ月 市民団体がG7へ提言 弱者の声、首脳宣言に反映目指す
毎日新聞2016年4月26日 中部朝刊
いりゃあせ名古屋
伊勢志摩サミット開催まで、26日であと1カ月に迫った。地球温暖化対策の「パリ協定」、貧困や格差の解消を目指す「持続可能な開発目標」が国連で採択されてから、初の主要国首脳会議となる。気候変動などの分野は、国内外の市民社会が現場経験を生かし、政策提言を得意としてきた。今回のサミットでも、連携した市民たちは、参加する首脳の補佐役と3月に対話。開催直前にも提言をまとめるなど働きかけを強めており、首脳宣言にどれだけ反映されるか注目される。
国内の約60の市民団体でつくる「市民社会プラットフォーム」は先月22、23日に京都市内で「Civil(シビル)(市民)G7対話」を開いた。主要7カ国(G7)への提言をまとめる準備会合で、米・英・伊、中国やシリアなど22カ国から約70のNGO(非政府組織)やNPOメンバーら130人が集まり、気候変動・防災、難民など8分科会で話し合い、情報を共有、整理した。
分科会ごとに、化石燃料や原発への投資から手を引く▽持続可能な開発目標を実行する具体的計画を作る−−などと要望をまとめ、代表団が、シェルパと呼ばれる各国首脳の補佐役と直接対話して伝えた。
「G7対話」の共同議長を務めたNGOネットワーク「動く→動かす」(東京)の今田克司代表は「首脳宣言が固まらない段階で声を届ける意義は大きい」と話す。外務省サミット準備事務局も「サミット成功に市民社会の協力は不可欠」と認める。
かつて南北格差などの視点から、サミット開催に反対する運動が展開された。近年は国際政治で見落とされがちな社会的弱者の声を市民から届けようと、対話路線に転じ、2006年のロシアで公式対話が始まった。以後はほぼ毎回行われ、15年ドイツではメルケル首相が市民団体と面会した。
「プラットフォーム」は来月23、24日にも三重県内で「市民サミット」を開く。広く一般市民も加えた討論を経て、各国首脳に向けた政策提言を公表する。【町田結子】
■ことば
「持続可能な開発目標」と「パリ協定」
開発目標は昨年9月に決まった。貧困や教育、責任ある消費など計17分野の課題について、先進国も含めた全ての国を対象とする。パリ協定は同12月に国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で採択した国際ルール。温室効果ガス排出の実質ゼロを目指す。