2016年5月28日土曜日

【メディア掲載】伊勢志摩サミット2016 閉幕 宣言、NGO低評価 市民の声、届かず 政策提言力向上誓う(5/28、毎日新聞)

▼伊勢志摩サミット2016 閉幕 宣言、NGO低評価 市民の声、届かず 政策提言力向上誓う
2016年5月28日 毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160528/ddq/041/010/004000c

主要7カ国(G7)が世界経済やテロ対策などを確認する首脳宣言を採択し、閉幕した主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)。国内外の非政府組織(NGO)団体は27日、国際メディアセンター(IMC、三重県伊勢市)前で記者会見し、首脳宣言に積極的な温暖化対策などが盛りこまれなかったことについて「市民側の期待は『地』に落ちた」と厳しい評価を下した。

 一方で、地球規模の課題解決に向け、市民が団結して取り組むとする新たな決意を表明した。

 会見は約60の団体でつくる「G7サミット市民社会プラットフォーム」が主催した。「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京)の大野容子さんは「地球規模の課題が議論の隅に追いやられた。『残念』で終わらせず、私たちが立ち上がって取り組まなければならない」と強調した。

 プラットフォームは、首脳宣言で取り上げられた議題のうち、12テーマについて5段階評価した。「女性」は宣言内に48回登場し、ジェンダーの視点が分野を横断する課題だという認識が表れているとして、比較的高い「3」だった。「シリア・難民」は、シリア国内での「敵対行為の停止」の履行を強く求めたことで同じく「3」とした。

 一方、「気候・エネルギー」は、二酸化炭素を排出する石炭火力の問題が議題にもならなかったとして「2」の評価。結局、全テーマが及第点の「4」を下回った。

 今回、市民団体の活動拠点がIMC外に置かれたことにも批判が出た。プラットフォームの西井和裕・共同代表は「市民の声が届かなかった。我々が政策提言力を高め、聞く耳を持つ政府に変えていかなければ」と総括した。【町田結子】

オバマ氏「神聖な地訪れ光栄」 伊勢神宮、首脳ら記帳

 伊勢神宮の祭事や事務をつかさどる神宮司庁(三重県伊勢市)は27日、伊勢志摩サミット参加国首脳らが26日に内宮(ないくう)を訪問した際に書いた記帳の内容をホームページに公開した。安倍晋三首相と、オバマ米大統領ら8人。

 オバマ大統領は「神聖なこの地を訪れることができ、非常に光栄に思います。世界中の人々が平和に、理解しあって共生できるよう祈ります」などと記した。安倍首相は「平和と繁栄を祈る」とした。

 神宮司庁によると、首脳らは参集殿で安倍首相から神宮の歴史の説明を受けた後、正殿前で全員が会釈をしたという。杉谷正雄広報室長は「日本の伝統的な礼法に沿った形で敬意を表されたと聞いている」と話している。【新井敦】

首脳宣言NGOの評価(5段階、4以上が及第)

持続可能な開発目標  2
パナマ文書        2
気候・エネルギー    2
栄養・食料安全保障  3
地域の市民から     3
保健            3
若者            3
シリア・難民       3
女性            3
サプライチェーン(製造供給システム) 2
教育            1
取り残された課題    0